私は弁護士となって60年近くになりますが、その間、数多く、実に様々な事件処理を担当致しました。ただ、そのうちのただの1件も漏らすことなくすべての事件について、次のことを心掛けて当たって参りました。
それは、法律相談や事件の依頼を受ける時、まずは依頼者の話を時間をかけて丁寧に聞き、私自身が依頼者の立場にあったならばどのような解決を期待するかを考え、そのために必要かつ適切な処置が何かを見定めなるべく迅速に、依頼者本人に納得のいく解決を目指すということです。
事実に法を適用し、納得のいく結論が導ければそれでよいのですが、残念ながら、現実に起こる問題はそのような単純なものばかりではありません。そうしたとき、わが身を依頼者に置き換える考え方は、私が弁護士として執務してきた中で最も重視してきたものでした。
当事務所の弁護士にもこうした考え方は引き継がれており、事務所内の重要な価値として共有されていると自負しています。これからもこうした姿勢を貫き、全スタッフ一丸となり、依頼者のお一人おひとりにご納得いただける事件処理を心掛けて参ります。

弁護士 中村 治嵩